医療技術の進歩~更年期障害やがんを克服する為の治療法~

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わかりにくい胸のがん

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大人になると退化する臓器

胸腺にはふつう腫瘍はあまりできないものですが、例外的にできるのが胸腺腫瘍と呼ばれるものです。免疫細胞療法で知られる白血球のひとつであるT細胞は、この胸腺でつくられます。胸腺は胸の真ん中あたりの少し上の方に位置しています。この臓器は子どもの間は免疫機能を担っていますが、思春期を迎える頃にはすでに退化し始め、大人になると完全に退化します。この退化した胸腺にできるのが胸腺腫瘍です。胸腺腫瘍は、胸腺腫と胸腺がんとに大別されますが、胸腺腫もがんの一種であるとされています。ただ胸腺腫は細胞の増殖が遅いため胸腺以外に広がることはまれであるのに対し、胸腺がんは進行が速く転移しやすいという性質があります。とはいえ胸腺腫の場合も、見つかったらできるだけ早く手術で取り除くことが望ましいといえます。

長引く咳や胸の痛み

胸腺腫瘍になると、胸が痛いと感じたり長引く咳の症状が出たりします。ただし胸腺腫の方では無症状であることも多いので、発見が遅れる一因となっています。胸腺腫瘍を確実に診断するためには、手術によって組織を採取し顕微鏡で検査を行う必要があります。胸腺腫瘍もがんのひとつなので、治療は外科手術や抗がん剤治療、放射線治療などが行われます。ほかに、がん細胞の増殖を阻害するホルモンを用いたホルモン療法もあります。外科手術で胸腺腫瘍を取り除いた後でも、転移している可能性が否定できないため抗がん剤による治療が引き続き行われます。この病気では呼吸がうまくできず呼吸困難に陥る患者も多く、その場合は放射線治療が功を奏することもあります。